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杜氏
人類の歴史上で、最も古くから親しまれてきた嗜好品のひとつ、お酒。日本のお酒は、米を精米して蒸し、麹(こうじ)などくわえて発酵させてつくります。この日本酒をつくる職人が「蔵人(くろうど)」。杜氏(とうじ)とは、この蔵人のリーダーのことです。ちょっとした温度の変化や材料の吟味で、まったく違った味ができあがる日本酒。職人のカンに頼る部分が多い分野であるため、杜氏になるまでには、長い期間の修業が必要となります。
蔵人や杜氏になるため必要となる特別な資格などは特にありませんし、学歴などの制限もありません。そのため、若い蔵人が活躍している蔵元もたくさんあるようです。蔵人になるためには、まずは日本酒をつくる蔵元に弟子入りして、技術と経験を積みかさねることが必要となるでしょう。もっとも、最近では酒づくりを機械でおこなう蔵元も増えてきており、また蔵元や杜氏の数自体が減少する傾向にあります。しかし、酒の味のよしあしを決める麹は生きものであり、機械だけにその調整をまかせるわけにはいきません。日本酒づくりは、天候・温度・湿度などのさまざまな条件に左右されるデリケートな仕事。職人が五感を駆使してつくりだした酒のほうがおいしいため、手づくりを続ける蔵元や杜氏がすべて駆逐されるような事態は、当分はなさそうです。むしろ、日本の確かな造酒技術を次世代につたえる、腕のよい蔵人・杜氏が求められているといえるでしょう。
杜氏は、蔵全体に目をゆきとどかせる必要があります。蔵の従業員のすべてを取りまとめ、設備状態の把握や整理整頓を常に心がけなければなりません。また、醸造学や微生物学といった知識も求められる場合があるので、貪欲に知識を吸収できることも重要です。日本酒は神社での神事などでもちいられることも多く、まさに日本の文化風土のなかからはぐくまれたお酒。素晴らしい日本酒をつくりつづける杜氏は、今後も必要とされつづけてゆきます。
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