味噌職人
日本人にとって単なる調味料の枠を超える味噌は、いくら食の洋風化が進んでも、各家庭に必ず切らさずに置いてあることでしょう。近代以前には、米や麦、豆を原料として、地域ごとや家ごとに自前で味噌をつくっていました。現在スーパーなどで売られている一般的な味噌は、加温で麹を活性化させて短時間発酵させる方法で製造されていますが、麹菌の発酵作用にまかせる昔ながらの天然醸造味噌は、デパートや専門店、通信販売などで根強い人気をほこっています。
現在、味噌を製造する大手の食品メーカーではその工程のほとんどが機械化されているため、本格的に味噌職人を目指す人は、味噌を製造する蔵元で働くことになります。ただしこれらの蔵元のほとんどは規模が小さく、求人が出にくいのが現状です。とはいえ、職人の高齢化もすすんできていることから、若い世代の育成に力を入れる蔵元も存在しているため、あきらめずに探してみることが重要でしょう。志望者は世襲をのぞけば、ほぼ100%の人が未経験の分野。はじめは先輩の職人さんの仕事ぶりをみながら少しずつ経験を積んでゆくことが求められます。
麹づくりは最も大事かつデリケートな作業。つきっきりで発酵の状態を見ることが必要です。乳酸菌発酵を使う場合は、研究所などから購入する場合もあります。力仕事が多いので男性の職人が多いのですが、繊細な麹づくりには女性の進出も目立ちます。初任給は、企業に勤務するのであれば18万円程度から。年齢や経験によって違いがあり、そこに残業手当などが加算されます。また、弟子入りの場合はこのかぎりではなく、もっと安いのが普通です。
最近では食生活の変化より、味噌自体の売り上げの成長は望みうす。メーカーや蔵元では、味噌を使った新製品の開発にも積極的に取り組んでいます。今後の味噌職人には単に作る人の立場から、そのような開発に携わる立場も求められていくことでしょう。大学の農学部には発酵食品である味噌の更なる可能性を研究するところもあり、そのようなところで学んだあと、大手の味噌メーカーの研究室に入ることも、ひとつの道といえます。
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